メリッサ(レモンバーム)とレモングラスの違いは?禁忌と効能

レモンバームの葉から抽出されるレモンに似た香りのメリッサ精油

今回はシソ科のメリッサ(レモンバーム)とイネ科のレモングラスの違いを比較します。

園芸用ハーブのレモンバームやハーブティーは手ごろな値段ですが、メリッサ(レモンバーム)精油となると価格が高いのが気になるところ。

また、メリッサ(レモンバーム)の成分が認知症のひとつ、アルツハイマー病の予防に効果的であると脚光を浴びていますが、生活に取り入れる方法は?

メリッサ(レモンバーム)精油の効果・効能、皮膚刺激があるという注意点と禁忌、生活の木をはじめとする各精油ブランドの価格、使い方などを紹介します。

メリッサ(レモンバーム)とは?

メリッサ(レモンバーム)とは?

メリッサ(レモンバーム)はみつばちが好むハーブ

精油名ではメリッサ(レモンバーム)、ハーブ名ではレモンバーム

地中海沿岸原産の多年草、メリッサの別名がレモンバーム、ビーバームセイヨウヤマハッカ

※ペパーミントの別名はセイヨウハッカ

シソ科コウスイハッカ属のハーブで、みつばちが白い花を好むことからギリシャ語でみつばちの意味の「メリッサ」という名前がつきました。

ヨーロッパ地中海地方では古来より蜜源植物として栽培され、はちみつを収穫。

メリッサの植物自体は繁殖しやすいのですが、葉から採れる精油の量が少なく(採油率が低い)、希少性が出るので、かなり高価な精油になります。

11世紀頃からイヴン・シーナーが錬金術の方法で精油を抽出し、16世紀にはスイスの医師パラケルススが蒸留すると、鎮静作用や強心作用があることからエリクシール(不老不死の妙薬)と呼んだとか。

また、鎮痛作用がすぐれているので、中世の修道院では生命力を強化する万能薬とされていました。

メリッサ(レモンバーム)とレモングラスの違いと共通点は?

メリッサ(レモンバーム)とレモングラスの違い


レモンバームとレモングラス。
名前が似てますが、属する科がちがうので見かけも異なります。

では、具体的な比較をしてみましょう。

メリッサ(レモンバーム)レモングラス
産地イタリア、フランス、イギリス
ほか地中海地方
インド、スリランカ、インドネシア
ほか亜熱帯地方
科名シソ科
葉はギザギザで小さくミントに似た形
イネ科
葉は細長く平らな葉でイネのような形
主要成分シトラール48.3%(ゲラニアール28%、
ネラール20.3%)、β‐カリオフィレン17%
シトラール76%(ゲラニアール44%、
ネラール32%)、ゲラニオール5%
ノートミドルトップ
料理ハーブティー、肉・魚料理、ドレッシング
サラダ、ソース、デザート
スパイス、ハーブティー、カレーや
トムヤンクンなど東南アジアの料理
禁忌皮膚刺激あり。妊娠中は使用しない。皮膚刺激あり。妊娠中は使用しない。
精油価格例 11,000円 / 3㎖例 660円 / 3㎖

メリッサ(レモンバーム)は葉からの採れる精油の量(採油率)が低いので、希少性があり高価。いっぽう、レモングラスは購入しやすいです。

ちなみにハーブの苗の価格は、レモンバームもレモングラスも、300~500円ほどで購入できます。

ガーデニングが好きな方はハーブを育てて、生の葉のアロマやハーブティーを楽しむのもいいですね。

メリッサ(レモンバーム)とレモングラスの共通点

メリッサ(レモンバーム)もレモングラスもレモンに似た香りで、清涼感がありますが、

  • メリッサ(レモンバーム)はレモンとハーブを足したような感じで、あとからレモンのような香りが強くなる。
  • レモングラスは薬草のようなハーバル感は少なく、始めから終わりまでレモンのような香りが同じ勢いでくる。

レモンの香りの特徴成分は微量に含まれているシトラールによるもの。

シトラールとはゲラニアールとネラールの混合体のことをいいます。

メリッサ(レモンバーム)やレモングラス精油、ほかのレモンの香りがする精油にはシトラールが含まれているのでレモンみたい、と感じます。

そして、メリッサ(レモンバーム)とレモングラスの比較をみると、レモンに含まれるシトラールの量よりもかなり多いので、レモン精油よりも「レモンの香り」が強いです。

メリッサ(レモンバーム)とレモングラスに含まれるシトラールの特徴は抗ヒスタミン作用や抗菌作用、抗真菌作用。

いっぽうで、シトラールの化学的分類はアルデヒド類となり皮膚刺激があるので、高濃度でトリートメントに使用しないでください。

【レモンに似た香りの精油】

メリッサ(レモンバーム)、レモングラスレモンマートルレモンバーベナユーカリ シトリオドラ(レモンユーカリ)リツエアクベバ(メイチャン・アオモジ)など。

メリッサ(レモンバーム)精油の効果・効能

リラックス鎮静作用メリッサ

心への効能

鎮静作用

動揺した気分を静かに落ち着かせ、感情のバランスを取り、心を元気にみちびく。

抗うつ作用

苦痛、ショック、落ち込んだ心をおだやかにして、生きる力を引き上げていく。

体への効能

鎮痛作用

胃痛や月経痛などの痛みを緩和させる。

抗炎症、抗菌、抗真菌作用

優れた抗菌作用あり。
アレルギー性の皮膚や呼吸器系のトラブル、風邪の引きやすい時期に芳香浴がおすすめ。

血圧降下、胆汁分泌

不安、緊張がやわらぐことで、血圧降下が期待される。胆汁分泌をうながしたり、消化不良や肝臓の不調なときに。

通経作用

月経不順や月経痛を改善したり、痛みを軽くするはたらきがある。

ヘルペスウイルスに有用

口唇ヘルペスを引き起こす、ヘルペスウイルスの1型2型に対して、それぞれ0.0004%、0.00008%の濃度でウイルス感染を50%阻止したとの研究データがあります。

※口唇ヘルペスとは?
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)とよばれるウイルスが感染しておこり、多くは子どもの頃に感染している。ふだんは体内に潜伏しているが、抵抗力が弱ると口のまわりに発症するもの。

メリッサ(レモンバーム)精油の禁忌・注意点

メリッサ(レモンバーム)禁忌と注意点

メリッサ(レモンバーム)精油の禁忌

妊娠中はメリッサ(レモンバーム)精油の使用を避けましょう。

妊娠中は特に香りに敏感になりやすく、今まで気にならなかった生活の中の匂いや香りに気がつき、嫌悪感が出たりすることがあります。

メリッサ(レモンバーム)精油は通経作用(月経を促す作用)があるので、妊娠中は使用を控えるようにしましょう。

妊娠中のアロマテラピーは芳香浴以外、十分な注意が必要。
精油の禁忌・注意事項を確認して、妊娠初期や妊娠中は避けると書いてあるものは使用しない。

メリッサ(レモンバーム)精油の注意点

皮膚刺激がある精油です。
芳香成分であるシトラールは化学的分類だとアルデヒド類になります。

シトラールは抗ヒスタミン作用、抗菌・抗真菌作用があるいっぽうで、皮膚刺激のある成分です。

芳香浴やアロマスプレーとしての使用がよいでしょう。

トリートメントオイルにも使用できますが、30㎖に対して1滴の割合にうすめてください。
皮膚が敏感な方はトリートメントなどは使用しないほうがよいです。

皮膚刺激がある精油、芳香浴で楽しむのがベスト。

メリッサ(レモンバーム)は認知症予防に効果的?

レモンバームのロスマリン酸

レモンバームに含まれるポリフェノール、ロスマリン酸

ポリフェノールは多くの植物に含まれている成分で、活性化酸素を無害な物質にする抗酸化作用が強いことが特徴。

よく知られているものにカテキン、アントシアニン、カカオポリフェノール…などがあります。

メリッサ(レモンバーム)の成分には、ロスマリン酸というポリフェノールが含まれていて、注目が集まっています。

近年、東京大学、金沢大学他の研究グループが 「ロスマリン酸摂取後の脳内ドーパミンがアルツハイマー病を予防する ポリフェノールの新たな作用機序」として研究発表。

ロスマリン酸を摂取すると、脳内でドーパミンに関連する物質が活性化され、毒性の高いアミロイドβペプチドの凝集ぎょうしゅうを抑制するというもの。

※アミロイドβペプチドとは、強い神経毒性を持つアルツハイマー病患者の脳内に凝集・蓄積するタンパク質のこと。

ロスマリン酸を取り入れることで、ドーパミン関連物質が活性化される。
そのことによりアルツハイマー病に関連するアミロイドβペプチドという毒性のたんぱく質が、脳内に集まって蓄えられるのをおさえる。

ということは、ロスマリン酸を摂取すると、アルツハイマー病の予防に有用だということです。

なるほど、気になります。
では、どうやってメリッサ(レモンバーム)の成分のロスマリン酸を取り入れる?

レモンバームのロスマリン酸を生活のなかで取り入れよう

レモンバームのハーブティー

メリッサ(レモンバーム)の葉や乾燥ハーブの利用方法で、簡単なのはレモンバームのハーブティーを飲むこと

そのほか料理や飲み物に使えるアイデアは実はたくさんあります。

  • レモンバームを鉢植えにして育て、新鮮な葉をハーブティーで飲む。
  • 乾燥したレモンバームのハーブティーを飲む。
  • レモンと合わせてレモンバーム入りのレモネードを作る。
  • スパゲティ、ヨーグルトにのせ、葉を食べる。
  • 葉をきざんでマリネソースや、オリーブオイルその他スパイスと混ぜ、ソテーのソースにする。
  • パンやクッキー、スコーンに混ぜて焼く。
  • ツナとマヨネーズにきざんだレモンバームの葉を混ぜ、サンドイッチにする。

・・・きりがないので、これくらいに。
もっと知りたいかたはクックパッドでレモンバームを検索。

クックパッドHP

また、レモンバームやレモングラスなどのハーブを使ったモヒート風カクテルは夏にぴったり。
S&Bではいろいろなドリンクやハーブ料理が参考になります。

S&B公式HP

  • ハーブティー:片手のひら山盛り分のレモンバームの葉をティーポットまたはマグカップに入れて、お湯を注ぎ、5分おいてから飲む。
  • ミントの代用になり、いろいろな料理やドリンクにして摂取できる。

嗅覚をきたえ、脳に刺激をあたえる

また、近年メディカルアロマテラピーが話題になっています。
香りの刺激は医療の現場でも積極的に取り入れられるようになってきました。

心地よい香りを嗅いで、五感のひとつである嗅覚をきたえ、脳に刺激をあたえることが大切。

嗅覚は年をかさねると鈍くなっていきます。

老化すると嗅覚はだんだんと衰えていき、少しの匂いや香りの量では脳に伝わりにくくなります。
(専門的に言うと、においの閾値いきちが高くなるという言い方をします。)

そこで、

  • 好きな香りや美味しいと思うハーブティーを見つけてみる。
  • 精油の香りやハーブのちからに興味を持ち、楽しむ。
  • 精油を使った芳香浴で、嗅覚を通して脳に刺激をあたえる。

知らなかったことを知る、学ぶということは楽しいこと。

好奇心を持つことで、心と体の健康的な生活や認知症予防につなげていきましょう。

【香りで嗅覚をきたえ、脳に刺激を】

メリッサ(レモンバーム)精油などを超音波ディフューザーに精油をたらして香りを楽しむ。

レモンバームのハーブティーを飲んでみる

生活の木 

私の30日茶 おやすみ前のカモマイルブレンド
30個入り 税込1,944円(公式HP価格)

公式HP 生活の木 私の30日茶

こちらは税込2,004円 Amazon primeなら配送無料。

原材料:カモマイルジャーマン(エジプト産)、レモンバーム、レモンマートル、リンデンフラワー、カリフォルニアポピー、パッションフラワー、マジョラム、バジル、バレリアン、アグリモニー

10種類のハーブを配合。
カモマイルの優しい風味をベースにしたハーバルで爽やかな香りが特徴。

合同会社ケレナ 

レモンバームティー(メリッサ・ハーブティー・ノンカフェイン)
1.5g×50ティーバッグ  税込1,370円

レモンの香りがするノンカフェインのレモンバームティー。
酸味はなく、ほのかな甘みで、個人的にはカモミールティーより飲みやすいです。
レモンバーム単品のハーブティーを飲んでみたい方に!

メリッサ(レモンバーム)精油のブレンドレシピ

香りの強さは中程度、香りの持続性はミドル。

柑橘系、フローラル系、ハーバル系、樹脂系、スパイス系などほとんどの精油と相性はよいです。

特にシトラールの入ったレモン、レモングラス、レモンマートルやカモミールやゼラニウム、ローズウッド、ラベンダーなどが特に相性がよいです。

メリッサ(レモンバーム)精油の価格は?

メリッサ(レモンバーム)は高価な精油。
精油専門店の生活の木の価格でいうと、ダマスクスローズやキンモクセイについで3番目くらい。

「メリッサ(レモンバーム)精油」と記載があってもあまりに低価格なものは、レモングラスやレモンバーベナなどの精油が混ぜられている場合もあるので、注意。

ちなみに精油1㎖は約20滴分になります。(精油1滴は約0.05㎖)

※価格の目安は参考のため、公式オンラインストアでの価格を表示。

ニールズヤードレメディーズ

オーガニックにこだわるイギリス発祥のヘルス&ビューティブランド。英国ソイルアソシエーション認定オーガニック精油などを扱う。サスティナブル&エシカルな理念をかかげるブランド。

生産国:イギリス
価格:2.5㎖ 13,530円(税込)

レモンバームの全草から丁寧に抽出した、甘いレモンのような香り

生活の木

国内外の提携農園(パートナーファーム)から厳選したオーガニックハーブや精油、植物油などの販売。全国約110店舗の直営店あり。エコサート、JASなどの認証を受けた有機精油もあり。

原産国:フランス
価格の目安:1㎖ 4,400円(税込)3㎖ 11,000円(税込)

フレーバーライフ(Flavor Life)

アロマテラピー商品の通信販売を日本で最初に始めた会社。
英国Aromatherapy Trade Council(アロマテラピー精油取引協議会)及び、Soil Association(英国土壌協会)加盟社より輸入し、100%ピュア&ナチュラルな精油を販売。

原産国:イギリス
価格の目安:3㎖ 7,150円(税込)、10㎖ 22,000円(税込)(受注生産)

フロリハナ(FLORIHANA

フランスにフロリハナ蒸留所を持ち、エコサート・JAS認定100%オーガニックなど、オーガニック認定商品にこだわり、精油を蒸留販売。こちらは1滴が約0.03㎖。

原産国:フランス
価格の目安:2.26㎖(2g)5,720円(税込)、5.65㎖(5g)11,770円(税込)

■こんな精油ブランドを紹介しています。

  • オーガニック先進国などの認証機関で精油の品質検査がされている。
  • 精油ブランドや販売店が、輸入された精油を企業独自に成分分析をしている。
  • 精油の成分分析表などの表示がある。

精油ブランドによって、同じ精油でも香りの雰囲気が少し異なることもあります。

原料になる植物が育つ産地や収穫時期が異なることで、含まれる芳香成分に多少の違いが出てくるからです。

メリッサ(レモンバーム)精油のプロフィール

メリッサ(レモンバーム)
精油名メリッサ(レモンバーム) Melissa (lemon balm)
学名Melissa officinalis(メリッサ オフィキナリス )
科名シソ科
主な産地アメリカ、イギリス、イタリア、フランスなど
抽出部位
抽出方法水蒸気蒸留法
主要成分シトラール、β-カリオフィレン、シトロネラール
ゲラニオール、リナロールなど 
ノートミドル
印象さわやかでレモンに似た香り、ややハーバル感あり。
禁忌注意事項皮膚刺激あり。
妊娠中は使用を避ける。

メリッサ(レモンバーム)精油のまとめ

メリッサ(レモンバーム)精油は、感情のバランスをととのえ、精神的なストレスからくる不調(不眠・うつ・パニック・動悸・頭痛・精神疲労など)をやわらげ癒してくれます。

また、鎮静、鎮痛、抗菌、抗ウイルス、抗アレルギー作用などがあり、消化不良や月経痛、口唇ヘルペス、花粉症などにも効果的です。

そして、ハーブに含まれるロスマリン酸がアルツハイマー病の予防によいと期待されています。

レモンに似た香りの芳香浴で脳へ刺激したり、ハーブを利用した食べ物やドリンクを楽しむとよいでしょう。

注意点:皮膚刺激があるので気をつける。(トリートメントは低濃度に希釈する)
禁 忌:妊娠中は使用を避ける。

メリッサ(レモンバーム)精油はやさしいレモンの香り。

香りの感じ方は人によって異なるし、香りの表現に正解不正解はない。

自分の香りに対する感性を大切にしてほしいと思います。

もっとアロマのことを知りたい!アロマテラピー検定とは?